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町ぶら系の番組、どのくらいかかっている?

取ります「この番組ってお金かかってなさそう~~」と言われる番組があります。


それは、タレントが町をぶらぶら歩いて、飲食店とか土産物店、小売店にふらっと入っていくような番組。


「ぶらぶら」「ふらり」「バス旅」「〇〇旅」と、タイトルに入っているような番組です。

町ぶら、とか旅ものと言われています。


散歩や旅番組は、安く作っていると思われる

共通しているのは、市井の人々とのふれあいややりとりが面白い、そういう番組です。


タレントが気ままに歩いて、ふと目に入ったお店にふらっと入っていくのをカメラが追いかけてれば1本番組になっちゃうんだから、そりゃ、お金がかからないでしょ、とみられて当然かもしれません。


お店の人たちも、道行く人たちもギャランティが発生していませんから、そういう人たちがたくさん出ている番組はお金かけずにできるものだと思われているようです。



散歩番組、タレントは気ままに歩いている?

気ままに散歩しているのを追っかけているのか? その答えは否。です。ふつうに散歩していて、誰かに教えたくなるような店って、見つかります?そうそう出会いませんよね。


番組で取り上げている店は、番組づくりのプロが探しています。


すべての番組に、構成があります。番組によっては、構成台本とかロケ台本、と言います。そう書くと、タレントと店の人のコメントが書かれていて、その通りに演じているのか?そういうやりとりが書かれた台本が用意されているのか?と、受け取られそうなのですが、ドラマのような綿密な台本ではありません!


番組の地図というか、設計図というか、そういう骨格がわかるものです。ストーリーの起承転結、ルートや立ち寄る店があり、タレントはそこを辿っていきます。


構成はどうやって作っている?

撮影の土台にしている構成をどうやってつくっているか、と解説しますと・・・

①テーマを決める

②それに沿った店の情報を収集する

③ディレクターや構成作家が見て、選定する

④ディレクターやADが手分けして、一見の客として訪れて食事をする

⑤報告をして、さらに店を絞り込む

⑥選んだ店に電話をして、正式に番組のリサーチをする

⑦ロケハンをする

⑧番組で取り上げる店を決める


と、このような手順をふんでいます。②の段階であがってくる店舗は、20~30軒ほど。そのなかから、タレントが好きそうな店だったり、面白がってくれそうな店を5~6軒絞り込んで、スタッフが一見の客として訪れて、どんな店か観察しに行きます。

お店の方の対応や、キャラクターをみて、きっとこういうリアクションをするだろうな、とか、こういうところをつっこみそうだな、とか、タレントの目線で観察します。


近隣を歩いて、もっと面白そうなところはないかと探すこともあって、こっちの方がいいんじゃないかという店が見つかることも。


逆に弾まなさそうなら、店を差し替えたり、ロケの日程と合わなかったり、そもそも取材拒否だったりと、どの店を取り上げるか、はぎりぎりまで選定します。


ロケまでの準備期間は約1か月

店を探すのは、メインのディレクターとサブディレクター、アシスタントディレクター、リサーチャー、ときにはプロデューサーも。

店が決まるのは、ロケの1週間ほど前。店をかためたら、歩くルートを想定して、どこからどう歩かせて、どこから撮影するか、を考えます。公共交通機関を利用するシーンがあるなら、その撮影許可を取ります。


歩くルートも決めておかないと、公道だと思っていたら私道だったり、空き地と思っていたら個人の所有地だったりします。そういうところは勝手に入ることはできませんから、許可をとっておく必要があります。


企画が立ち上がってロケまで1か月ほどかかりますが、そうした準備や下調べというのは放送では全く見えない部分。

集めては削り、揃っては崩れ、と一筋縄ではいかないもの。



放送されていない映像は10倍以上

決まっているルートを辿るとはいえ、撮影した映像素材は、放送時間の10倍以上になります。

タレントのロケは1日で、カメラはタレントの人数分プラス1台と目算すると、たとえ正味5時間の撮影時間でも、5時間×カメラ台数分+別日に説明カットやら、料理や商品のディスプレーカットやら、実景やらを撮るため、2日ほど撮影しますから、映像素材は10時間~15時間くらいになります。


15時間くらいある映像を1時間番組だと、正味50分程度まで縮めるので、その作業で1週間かかり、ポスプロと呼ばれる仕上げの作業やら、ナレーションを書く作業やらで1週間かかり、ロケが終わってからも2週間ほど要します。


こうした編集やらナレーションを書く作業という手間も放送で感じることはないですよね。


テレビ制作って、放送からは伺いしれない作業量がありまして・・

1時間番組を制作するのに、1か月半くらいかかっている、ということになります。

スタッフも、プロデューサー、ディレクター、サブディレクター、ADなんぞは1か月半、フルにかかわっているので、人件費がそれだけかかっているんです。


制作費のなかで、何が一番かかっているかというと、スタッフの人件費ですから、決して安くはないのです。









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