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動画を最後まで視聴してもらうために意識していること  ~会社紹介、商品紹介などインタビュー動画の演出~

2018年のデータですが、企業の58%がホームページに動画を掲載し、ホームページに動画があれば、ユーザーは88%増の時間を過ごすそうです。

求職者の9割以上が動画があったほうがいいと答えています。

企業ホームページに動画の掲載はマストのコンテンツ。

社内で動画を内製しているところもあると思います。


今回は、プロはどういう点を意識して動画制作をしているのか、を書いてみたいと

思います。


表現には基本の思考がある


作家の井上ひさしさんは、演劇の理想をこう書かれています。

「むずかしいことを やさしく

 やさしいことを ふかく

 ふかいことを おもしろく、

 おもしろいことを まじめに

 まじめなことを ゆかいに、

 そしてゆかいなことはあくまでもゆかいに」


1989年に初出されている言葉ですが、今なお、制作者や文章を書く人たちの指針になっています。


視聴者は企業や業界について「よく知っている」人ではなく、「よく知らない」「まったく知らない」人の方が多いでしょうから、見てくれている人に理解をしてもらえるような気持ちで語りかけるのが基本かと思います。


むずかしいことをやさしくいう


むずかしい言葉というのは、専門用語やカタカナことば、略語、話し言葉ではあまり使わないことばのこと。

初めて聞いて、すぐにそれとわからない言葉、聞きなれない言葉もそうです。

これらをなるべく使わず、日常生活でよく使われている言葉をつかいます。

もし、その言葉でなければならないときは、補足するか、説明するかします。


カタカナ言葉や英語はつかわず、日本語に。

略語ではなく、正式名称を。


動画はよくわからないところは繰り返し見ることができる利点がありますが、

視聴者は、よくわからないな、と思ったら、そこで視聴をやめてしまいます。


つまらない動画や、演出が少ない動画であっても、視聴者の理解が途切れることなく続けば、最後まで見てもらえる可能性があります。

分かりやすさは、しゃべり手の心がけで簡単にできます。可能であれば、新人で入った社員やアルバイトに見てもらい、理解できないところ、聞き取れないところをチェックしてもらうと、分かりやすさの参考になります。


2.従業員に出演してもらう


代表や広報だけではなく、社内のスタッフに出てもらう。開発した人、デザインした人、販売している人・・・。様々な部署の、様々な年代の人たちに、自分の言葉で語ってもらうことで、視聴者には、信頼感や親近感を感じてもらえます。

スタッフと上司や代表とのやりとりがあると、社内の雰囲気や関係性も伝えることができます。


3.専門家にインタビューする


専門家にインタビューすることで、その分野での高度な知識や経験、最新の情報、データを盛り込むことができます。

専門家が語ることで、正確性が裏付けされて、視聴者には信頼が高まります。

知名度のある専門家なら、視聴者は関心をもって見てくれます。


4.ファンに愛着を語ってもらう


会社自体のファンや、提供している商品やサービスの愛用者に登場してもらって、なぜファンになったのか、きっかけや経緯を語ってもらうと、視聴者に共感が生まれます。

経験やエピソードを語ってもらうことで、商品やサービスへの深掘りができたり、新しい視点が生まれたりします。


登場してくれるファンも、会社に対して直接、愛情や感謝を伝えることができたことに喜びを感じると思います。

繋がりのある人たちに、つい話したくなるかもしれません。


ユーザーに限らず、社内にもファンがいるはず。もともとはユーザーとして好きで好きで、その会社に入社した、という人がきっといるでしょうから、社内にいるファンに語ってもらうのも一つの手だてです。


5.例える・見立てる


例えたり、見立てたりすることで、難しく、複雑なことも、シンプルで理解しやすい形に変換され、分かりやすくなります。視聴者にとって身近なことや興味のあることに結び付かせることができて、関心を引き寄せることができます。ありふれたものが登場すると、視聴者にとっては、より記憶に残りやすくなるかもしれません。


いかに視覚的なイメージを持ち込むことができるか、で、共感や理解をぐっと深めることが可能です。


6.補足する映像、画像を足す


インタビューや会話動画の中で、話題にしている商品やサービスの説明コメントに、その映像をインサートします。過去のエピソードを離しているところでは、その当時の映像や写真、例えや見立てで語っているなら、その写真やイラストを探して挿入します。

写真やイラストはフリーで使えるものがネット上でも見つけることができます。


7.原点を辿る


採用のための動画の場合、事業内容や商品やサービスについて話すものですが、BtoBのビジネスなどは、伝わりづらいことがあります。


そういうときは、なぜそのビジネスを始めたのか、会社の原点を辿るような質問をされると

会社や事業への思いが自然に語られることがあります。


働いている人たちに、なぜ、この会社に興味をもったのか、どんなところがおもしろいな、と感じたのかを聞いてみると意外な回答が出てくることがあります。


「なぜ?」という問いで掘っていくと、始まりは「会社」「商品」「サービス」ですが、

辿り着くのは、その人の素朴な個性。その経路には、視聴者はなにかしら共感するポイントがあります。


例えば、段ボールの商社の採用動画を作成したときに、ある社員に、なぜこの会社に興味を抱いたのかを聞きました。生まれ育ったのは港町で、港には世界中から貨物船が入ってくる。あの船はどこからきて、何を積んでいるんだろう、と想像して、世界中からここに物が運ばれてくることにワクワクしていたそうです。この会社では、段ボール箱を企画したり、製造する会社のコンサルティングをしています。自分が関わった箱が世界中に運ばれていく。モノを入れる箱を作るっていう仕事があったのか、それはこういうふうに作られていくのか、と思うとワクワクしてきたそうで、幼いころの気持ちと今の気持ちがつながっているようで楽しい、とのことでした。


原点を辿るのは個人的なストーリーです。事業説明よりも、思いが伝わるメッセージかと思います。


今回はインタビューをするときに意識することや、聞いてみるといい質問、インタビューする相手について書いてみました。聞き方を変える、聞く相手を変える、ことで、多様な回答が期待できます。





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