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動画は高い!というイメージが定着しているのはどうしてなんだろう?



ダンスを趣味にしている友人から、エキシビジョンを動画にしてもらうのに2万円もかかったと言われました。エキシビジョンというのは、パーティの合間のショーアップされた魅せるダンス。その記録のための動画の制作をクリエイターにお願いしたら、2万円「も」かかった、とのこと。動画は10分程度だったそうです。



10分程度の動画が2万円は高い?


「2万円も」と強調されているのは、思っていたよりも高くついた。

ぼったくられたのではないか?と、

価格に対しての不満をにじませているようでした。

そして、私に、「それはかかっちゃったね。」と同意してほしかったのでしょう。


結婚式の動画が30万円はふつう?


また、別の知人からは、結婚式の見積を出してもらったら、動画が30万円だったとのことで、まっさきに削った、と言っていました。そのかわり、友達に作ってもらって、謝礼で3万円出した、とのこと。それって妥当だよね、と言われましたが、ちょっと少ないかな、と言うと、そうなの?と返されました。


写真撮影だと高く感じない?


これが、動画ではなくて、写真を撮るためのカメラマンに差し替えると、どうでしょうか。

金額のイメージは、高いと思われますか?

それとも、

そんなものかな、と思われるでしょうか。


プロのカメラマンに来てもらって撮影してもらうんだから、

妥当なのでは、と思われる方が多いのではないでしょうか。


なぜだか、動画制作だと高く感じるのに、写真撮影だとそうは感じない。

作業時間も動画も写真も同程度だし、使用する機材もさほど変わらず、機材にかかる費用も大きく違わないと思うのですが。


一般的に、写真の方が、「プロ感」を強く感じるのかな、と思われます。


金額の交渉で躓いた経験


さて、最初に書きました、エキシビジョンの2万円について。

友人から詳細を聞き取ってみると、2万円は安いんじゃないかな、と感じました。

きっと、その制作者も本音の金額を言ったら、高い、と思われて、「今回は諦めます」と言われるだろうな、とふんでのことでしょう。動画制作者は誰しも、金額の交渉で躓いた経験があるのです。


2万円の詳細


さて、ここで撮影についての詳細を出してみましょう。


まず、機材ですが、スマホで撮影したのではなくて、ムービーのカメラを持ってきてくれた、とのこと。カメラで撮影する場合、収録を収めるためのメディア、カメラを固定するための三脚が最低限必要です。



動画は10分だけど、制作者の拘束時間はどれくらい?


制作者の人件費を算出するために、拘束時間を考えてみます。


本番のエキシビジョンを撮影するために、早めに会場に着いて、現場の状況を下見、

ダンサーの動き、それに合わせる照明の明るさや、音楽のタイミングを一通り確認します。


本番のエキシビジョンは10分でも、会場には1時間以上前に到着して、それぞれの担当者と打合せそして、機材のセッティングと微調整を行い、撮影をして撤収。


さらに、自宅から会場までの移動。だいたい、公共交通機関を利用しても自家用車で移動しても、1時間程度かかるでしょう。


つまり、撮影にかかる拘束時間は、行きの移動+準備+本番+撤収+帰りの移動、で4時間くらい。


これは、段取りよくスケジュールが組めた場合です。それぞれの担当の都合によって、打合せや下見が希望の時間にセッティングできない場合もありますから、やたらと待ち時間が長くなるときもあります。

仕事の時間は4時間であっても、待ちが長くて1日拘束されることもザラにあります。


撮影が済んだら、編集作業


まだ作業は続きます。

撮影が終われば、自宅に帰って、パソコンで編集作業です。

収録した動画素材をパソコンに取り込んで、ノイジーなカットを取り除き、色調整をし、

音調整をして整えていきます。

タイトルのテロップを入れたり、情報テロップを入れたりする、となると、

テロップのフォントやサイズ、色をつけたりと、2時間3時間かかります。


つまり、10分の動画であっても、撮影と編集でまる一日かかります。

それで2万円。


交通費が別途出してくれる、とは限りません。


そう説明すると、2万円っていう金額は妥当、あるいは、少し安いくらいかも、と、申し訳なさそうな表情になっていました。


動画制作者は、金額については、あまり強気に出る人は少ないように思います。

また、明細を出す人も少ないように思います。もちろん、制作会社に発注した場合は、見積を出してくれますが。


世間のイメージだと、動画制作者は高くつく、ギャラが高い、と思われているのですが、内実は、ちゃんと撮影するために準備を怠らず、編集に工夫を凝らす人の方が多数。


なにかと手間をかけているものなのですが、その手間の部分を見せていないですし、説明するほどではない、と思っている人も多いような気がします。

もちろん、これは自身の経験則ですから、最初からきちんと見積を出す人もいますし、ポートフォリオと金額を明示している人もいます。


手間がかかる部分がイメージしづらい


動画にそれだけ手間がかかっている、と知られていないために、

「動画は高い」が先行しているような気がします。


もし、高いな、と感じたら、ぜひ、「どうしてその金額なのか?」聞いてみていただければ、と思います。

お金の話をするのは、品がないように思われるものですが、制作者はここが落としどころの金額だろうな、と提示していても、お客様からは、高いんじゃないか?ぼったくってないか?と不信感があれば、「思い」のすれ違いが起きてしまいます。


料金の話はハードルが高いものですが、最初にそのハードルを越えたら、それ以降のやりとりはスムーズにできるはずですし、コミュニケーションがうまくいくと出来栄えもいいはずです。






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