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動画の見積もり、いちばん安い会社に発注する前に・・・見てほしい項目のポイント

更新日:2021年7月26日

動画を外注するときに、複数の会社に同時に見積もりを取って、いちばん安い価格を提案した会社に発注していないでしょうか。動画制作はいくつもの工程があり、構成要素も複数あります。見積もりがほかの会社よりも高い場合、どれくらいのクオリティを設定しているのか、制作会社とクライアントの間にズレがあるかもしれません。安さで選ぶと、制作物がいまいち納得できないかもしれません。見積書に書かれている項目がどんな作業なのか、そしてそれは妥当な金額なのか、解説してみます。


動画制作の工程


動画制作の工程は、3工程になります。

 ①構成

 ②撮影

 ③編集


撮影はしないで、クライアントが所有している映像素材や画像を提供する、という場合もありますが、今回は撮影も含めるケースとします。


①構成とはどういう作業?


構成は、見取り図であり、設計図のようなもの。動画の目的や伝えたいメッセージを盛り込み、どんな映像に言葉をのせるのかを当てはめていきます。


②撮影で、チェックすること


撮影の項目で見るべきなのは、誰が撮影するのか、と 機材は何を使うのか。

ディレクターがカメラマンも兼ねて、機材も自前で用意できるのか、それとも、カメラマンをたてて、機材も載せているのか、をチェックします。

クオリティが高いのは、カメラマンと機材がのっている方が断然です。


どんな撮影のときにカメラマンが必要か


①1日に撮影する要素が多い

②1日に複数人のインタビューを撮影する

③商品撮影

④料理撮影

⑤設備や機械の撮影

⑥暗い場所、明るい場所、高い場所

⑦騒がしい場所

⑧極端に小さいもの、大きいものを撮りたい

⑨動きのあるものを撮影

⑩ドローンで撮影


①から⑩のいずれかに該当するのなら、カメラマンが必要です。では、どんなときであればディレクターがカメラマンをかねることができるのでしょうか。


A)撮影要素が少ない

B)画質や音質にクオリティを求めない

C)通常の業務や情景をありのまま撮影してほしい


この場合は、カメラマンを立てずに、ディレクターが撮影することが可能です。


カメラ機材は何が含まれているのか


カメラ機材と書かれている場合に含まれているものは、

・カメラ本体

・カメラマイク

・三脚

・レンズ

・ミニ照明


が一般的です。カメラマンであれば、これらの機材は所有している場合もありますし、レンタル会社で揃えることが可能です。ディレクターが自分で撮影する場合、所属している制作会社で所有している場合もありますし、足りない機材をレンタルすることがあります。機材はもともとが高いものですし、日々メンテナンスしなくてはなりませんから、機材費は高額になっています。

上記の③から⑩の撮影要素があれば、特殊な機材も必要になってきます。

小さいもの、大きいものを撮影するなら、レンズが必要です。

動きを撮りたいなら、特殊なカメラを用意しなくてはなりません。

例えば、ハイスピードカメラや、撮影の方法では、スライダーやドリー、レールなど

カメラをスムースに動かすためのツールが必要なシーンもあります。


③編集はどんな作業?


編集は、最初に作成した構成に則って、撮影してきた動画素材や提供していただいた動画や画像素材を並べていきます。編集はたいてい、プレミアプロという編集ソフトを使っています。

素材が30分程度で、完成尺が3分程度であれば、テロップを挿入して音楽を入れるまで、1日から3日程度でできます。


見積書に、ポストプロダクション費が計上されていれば、本編集とMA(音の編集)を クオリティの高い作業ができる外部の編集スタジオで作業しますよ、という意味です。


ポストプロダクションは必要なの?


視聴者にストレスなく視聴してもらうためには、ポストプロダクションで作業してもらったほうがベストです。テレビ番組を見ていて、ストレスはないと思います。カットとカットの繋がりや、テロップの入り方に違和感を感じることはありませんし、タレントのしゃべっている声とナレーション、音楽、効果音などがバッティングしておらず、いずれかが極端に大きな音だったり小さな音だったりすることはありません。それらは、ポストプロダクションで調整しているからなんです。


テレビ番組は、画質や音質に決まり事があります。その決まり事をクリアするためにもポストプロダクションでの作業は必須なのです。

ポストプロダクションの設備は数千万円規模のものであり、その設備を扱う専門のオペレーターが必要ですから、ポストプロダクション費が見積もりに入っていると必然的に高額になります。


ポストプロダクションが必要なのは、どんなとき


①バラエティ番組のオープニングのような派手さがほしい

②テロップの出し方やフォント、デザインにこだわりたい

③テロップの枚数が多い

④インタビューの音声をクリアに出したいとき

⑤ナレーションを入れたいとき

⑥映像素材に傾き、明度にばらつきがあるとき

⑦家庭にあるテレビのサイズの画面で見せるとき


視聴する画面が大きければ大きいほど、アラが目立ちます。スマホやパソコンで見る場合は気にならくても、画面が大きいと画質の粗さや傾きなど、音量の不安定さ不明瞭さが際立ってしまいます。大きな画面で視聴する場合は、ポストプロダクションでの作業を入れてもらったほうがベストです。



ディレクターが1人で全てできるけど、得意不得意がある


ディレクターが構成、撮影、編集と全てこなすことは可能です。ただ、その全てが得意で、技術もあり、センスも併せ持っていて、メディアリテラシーも備えている、というパーフェクトな人はいません。

見積書に計上されている人員がディレクターのみ、だと、クオリティが想像していたのと違う、という結果になるかもしれません。


ディレクター一人で賄える映像制作はどういったもの?


①撮影する項目が少ない

②細かい編集がない

③テロップフォントはプレミアプロに入っているものでいい

④音楽や効果音は有りものでいい

⑤パソコンやスマホで一人で視聴することを前提にしている


品質はほどほどで、それほど込み入った編集やデザインは入れなくていい、という場合は、ディレクター一人でも作業することができます。

例えば、スマホやパソコンで見るという前提の、商品の使い方マニュアル、社長や社員のインタビュー、商品紹介、会社紹介などです。


修正はどの程度まで対応してくれるのか?


予め見積書に、修正回数を記載されている場合があります。だいたい、1回の修正ですむなら予算に含まれているかと思います。構成を作成した段階で、こういう流れでこういった情報をいれますよ、という合意ができているので、そこから離脱した作品にはならないはずです。ではどんな修正が起こりそうでしょうか。たとえば、テロップの色がこの業界は使わないので変更してほしい、とか、フォントが見づらいかな直してほしいであれば、予算内の作業でしょう。ただ、この映像を差し替えてほしい、とか、この映像のこの部分を切り取ってほしい、とかは、修正費用が別途かかるかもしれません。


妥当な金額かどうかの判断材料として


2、3分程度の動画を作るのに、それぞれ、どのくらいの時間がかかるのか、を書き出してみますと、

①構成と撮影の準備に1日

②撮影に1日

③編集に1日から3日 


トータルで3日から5日程度。見積書にはディレクター一人しかのっていない場合、10万円~15万円程度であれば、妥当でしょう。

カメラマンものっていれば、20万円前後

カメラマンとポストプロダクションが載せられていると、30~50万円


それよりも高い場合は、プロデューサー費、構成作成料、機材費、音楽効果費、ナレーター費の有りナシを確認して、不要なものは外してみます。

そして、再見積もりしてもらいましょう。


金額が妥当か、それとも高いのでは?と思うかどうかは、ご自身の給料を日割りで計算してみると一つの指標になると思います。プロを3日から5日拘束し、撮影や編集では機材も使用しますし、会社に所属しているので、人件費+機材費+会社費用と考えていただけると妥当なのではないでしょうか。


安い会社=良心的な会社 とは言えない


安い会社が良心的か、というと、そうとも言えません。安いのは安いなりに理由があるはずです。例えば、スケジュールは他を優先させたいので、納期は制作会社のおまかせ、とか、新人ディレクターに経験させたい、とか、打ち合わせ、修正はナシとか。安いかわりに、制作会社が主導を取られてしまう可能性もありますし、安かろう悪かろうになる可能性もあります。最初のお試しとして、初めての案件はすでに何割かオフになっている場合もあります。

理由は様々ですが、他の会社よりも格段に安い場合は聞いてみるのもありです。

金額には根拠があるはずです。見積書はトータルの金額ではなく、そこに掲載されている項目を見てみましょう。項目が多いほど、クオリティは高いはずですので、各社の項目を比較して検討してみることをおススメします。

良心的な会社は、作業する項目を漏れなく書いているかどうかです。

撮影一式、編集費とおおざっぱな書き方ですと、不明瞭な部分が多いように感じます。



































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