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「テレビってお金がかかるんでしょ?」と聞かれるたびに思うことー取材現場から見えてくる誤解と現実ー

  • 執筆者の写真: imd33
    imd33
  • 2025年11月19日
  • 読了時間: 5分

更新日:1月19日


「テレビって、お金かかるんですよね?」


取材の電話をすると、今でも、そう聞かれることがあります。

でも、実はテレビ取材でお店側に費用が発生することはありません。


それでも、なぜ「テレビ=お金がかかるもの」と思われてしまうのか。

今日は取材の現場にいる立場から、その理由を書いてみようと思います。


私たちが取材したくなるのは、どんなお店か


私たちはグルメ企画を多く手がけていますが、取材の中心は個人店主が営むお店です。

大手チェーンや企業が運営する飲食店を取材する機会は、それほど多くありません。


というのも、私たちが惹かれるのは

「店主の人柄がにじみ出る店」や、「その人だからこそ生まれる料理」だからです。


料理そのもののおいしさだけでなく、

そこに至るまでの背景や、その人が大切にしきたこと。

一皿一皿にストーリーがある、そんなお店を探し続けているからです。


最初のアプローチで起こる“誤解”


取材の最初のアプローチは、たいてい電話から始まります。

けれど、取材に慣れていない個人店の店主にとって、突然かかってくる電話は

どうしても警戒心をうみます。


というのも、私たちの電話を「テレビに出ませんか?」と勧誘するPR会社や悪質な営業・詐欺の電話と勘違いされてしまうことがあるためです。


実際、小規模な飲食店でも PRできる媒体は増えており、ポータルサイトや予約サイト、口コミサイトなどからの営業電話が日常化しています。

また、「メディア露出を代行します」とうたう会社も少なくありません。


そうした背景があるからこそ、

ほんとうに取材をしたいと思ってかけている一本の電話も、

「また営業か」と受け取られてしまうことがあります。


「テレビに出る=PR=お金がかかる」という誤解


テレビやWebに掲載されることにPR効果があるのは確かです。

そのため「掲載には料金がかかるのでは?」と思われがちです。


しかし、テレビ番組は PRを目的に制作しているわけではありません。

特定の企業や店舗を宣伝する意図で取材することはなく、もちろん 取材先から料金をいただくことは一切ありません。


視聴者にとって、面白いか、意味があるか、伝える価値があるか。

その基準で企画が組まれ、取材先が選ばれています。


料金を受け取らない理由 ― 公平性と公共性


もし取材先から料金を受け取ってしまえば、

テレビの「公平性」「公共性」が簡単に崩れてしまいます。


お金を払った側が“クライアント”になり、その意向に沿う編集をせざるを得なくなるからです。

  • クライアントが売りたい商品を扱う必要が出る

  • クライアントが見せたくない部分は撮れなくなる

  • 編集の判断が、企画ではなく契約に左右されてしまう。


これはテレビ番組ではなく「広告」になってしまいます。

だからこそ テレビの取材は取材先から費用をいただかないという原則が守られています。


電話取材とは「企画に合致した店を選ぶプロセス」


テレビ番組は、まず企画があり、その企画に合う店舗を探します。

「ここなら視聴者にその魅力を伝えられる」と判断したお店に取材のお願いをしています。


撮影では、取材先にはご負担をおかけすることもあります。

撮影スペースを確保していただいたり、撮影のため普段の段取りを調整していただいたり。


だからこそ私たちは、

「なぜこのシーンが必要なのか」

「どんな意図で撮影しているのか」

をできるだけ丁寧に説明し、可能な範囲で譲り合いながら進めています。


費用の負担はないけれど、お店には撮影に協力いただかねば成り立たない。

取材はそういう経堂作業だと思っています。


信頼して取材を受けていただくために


電話だけで信用してもらえるとは思っていません。

ロケハンや下見で直接お会いし、顔を合わせて話し、少しずつこちらの意図や人柄を知ってもらう。


最終的には 店主ご自身が「受ける」と決めてくださるかどうか。

そこを大切にしています。


放送後に、

「自分が大事にしてきたことを、ちゃんと伝えてくれた」

と言っていただけることがあります。


その言葉を聞くたびに、「この仕事をやっていてよかった」と思います。


それでも、必ず放送されるわけではない


取材先と信頼関係を築き、よい取材ができたとしても、予定された放送日に必ず放送されるわけではありません。

大きな事件や事故、災害があれば、編成は簡単に変わります。

世の中の空気によって、「今、この企画を出すべきではないと判断されることもあります。


例えば、過去に食の不安が広がった時期に、該当ジャンルの飲食企画が見送られたこともありました。冷凍餃子の偽装事件や、狂牛病のニュースのときなどです。

それは、取材先を守るための判断でもあります。


こうしたリスクも含めてご理解いただいたうえで取材をお願いしています。


テレビ取材は無料です。

でも、何もかからないわけではありません。

そこには、人と人との信頼や、時間や、公共のメディアに出ることの覚悟が必要です。


それでも、私たちは、

「このお店のことを、ちゃんと伝えたい」

そう思える場所に、電話をかけています。


次回から、そんな取材の現場から見えてくることをすこしずつ書いていこうと思います。








 
 
 

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