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テレビ取材はお店側の費用負担はありません。でもお金がかかると思われるワケは

  • 執筆者の写真: imd33
    imd33
  • 11月19日
  • 読了時間: 4分

私たちはグルメ企画を多く手がけていますが、取材の中心は個人店主が営むお店です。大手チェーンや企業が運営する飲食店を取材する機会は、あまりありません。


というのも、私たちが惹かれるのは「店主の人柄がにじみ出る店」や、「その人だからこそ生まれる料理」。一皿一皿にストーリーがある、そんなお店を探し続けているからです。


■ 最初のアプローチで起こる“誤解”


取材の最初のアプローチは、多くの場合お電話です。しかし、取材に慣れていない個人店の店主にとって、突然の電話は“うさんくさい”と感じられることがあります。


というのも、私たちの電話を「テレビに出ませんか?」と勧誘するPR会社や悪質な営業・詐欺の電話と勘違いされてしまうことがあるためです。


実際、小規模な飲食店でも PRできる媒体は増えており、ポータルサイトや予約サイト、口コミサイトなどからの営業電話が日常化しています。また、メディア露出を代行する代理店が営業の一環として電話をかけるケースもあり、店側の警戒心を高めているのが実情です。


■ 「テレビに出る=PR=お金がかかる」という誤解


テレビやWebに掲載されることにPR効果があるのは確かです。そのため「掲載には料金がかかるのでは?」と思われがちです。

しかし、テレビ番組は PRを目的に制作しているわけではありません。特定の企業や店舗を宣伝する意図で取材することはなく、もちろん 取材先から料金をいただくことは一切ありません。


■ 料金を受け取らない理由 ― 公平性と公共性


もし取材先から料金を受け取ってしまえば、テレビの「公平性」「公共性」が損なわれます。

お金を払った側が“クライアント”になり、その意向に沿う編集をせざるを得なくなるからです。

  • クライアントが売りたい商品を扱う必要が出る

  • クライアントが見せたくない部分は撮れなくなる

  • 公正な判断で企画を成立させることができなくなる


これはテレビ番組として決して許されません。だからこそ テレビの取材は取材先の費用負担がなく行われる のです。


■ 電話取材とは「企画に合致した店を選ぶプロセス」


テレビ番組は、まず企画があり、その企画に合う店舗を探し、「ここなら視聴者にその魅力を伝えられる」と判断したお店に取材の依頼をします。


撮影では、取材先には「ここはあまり映してほしくない」「忙しい時間帯は避けたい」など、ご負担があることも承知しています。

そこは私たちも最大限配慮しつつ、「なぜこのシーンが必要なのか」を丁寧に説明し、可能な範囲で譲り合いながら進めています。


費用の負担はないけれど、お店には撮影に協力いただかねばなりません。お店にとっては取材スタッフがいたり、料理を撮影するための空間や時間をいただくことになります。


■ 信頼して取材を受けていただくために


電話でお話ししたり、ロケハン・下見で直接お会いし、顔を合わせて話すことでこちらの人柄や意図を知っていただき、最終的には 店主ご自身の判断で、取材を受けるかどうか決めていただいています。


私たちは、店の魅力や店主の想いがきちんと伝わるよう、誠実に取材し、丁寧に編集し、視聴者へお届けすることを大切にしています。企画意図とお店の魅力がマッチしたときには、放送をご覧になった店主さんから、自分が大切にしてきたことを丁寧に映像化してくれた、とおっしゃっていただくことが多々あります。


■放送は必ずされる、わけではない


取材先と信頼関係を築き、よい取材ができたとしても、予定された放送日に必ず放送されるわけではありません。放送当日に大きな事件や事故、災害があって放送が延期される可能性がありますし、世の中の雰囲気で、今、この企画を放送するタイミングではない、と判断されることもあります。


例えば、過去に冷凍餃子の偽装事件があって、餃子への消費力が下降したときや、狂牛病によって牛肉への不安が広がった時期があります。そういうときに、餃子や焼き肉を番組で取り上げても世の中は受け入れてくれません。逆にそのお店に不利益を負わせることになりかねません。


取材している方もされる方も、関与していないところで起こっていることで、放送できなくなることもあります。


そうしたリスクもある、とご理解いただいて、取材をお願いしています。








 
 
 

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