テレビ取材する側と、される側の飲食店──すれ違いを防ぐための基本確認
- imd33

- 2025年12月22日
- 読了時間: 5分
更新日:1月6日
あるお店の投稿文が拡散されているのを見ました。
それは、
全国テレビ(原文ママ)の「デカ盛り」番組の取材依頼に応じ、大量の食材を用意していたものの、撮影時間になっても番組側から何の連絡もないまま閉店時間を迎えたラーメン店が、テレビ番組への怒りとともに、余った食材を翌日には使い切りたいため、ぜひいらしてください、と訴えたもの。
番組からは、2〜8キロのラーメンをお願いする、と依頼があり、店側は最大の8キロ分の食材を用意していたそうです。
テレビ番組の取材では、過去にも番組スタッフの杜撰さや不手際、無礼な態度が、取材先による投稿で明るみに出たことがあります。
もし、自分のお店にテレビ番組から撮影依頼があった場合、どんな点に気を付ければよいのか、整理してみましょう。
① 問い合わせの電話を受けたら、必ず確認しておくこと
テレビ番組から「撮影させてもらえないか」と電話があった際、必ず確認しておくべきことがあります。
番組名
出演者がいるのかどうか
この問い合わせの実現性が、どの段階なのか
それぞれ、なぜ確認が必要なのかを説明します。
・番組名
番組名を知ることで、その番組がどのような性格のものかが分かります。バラエティ番組なのか、情報番組なのか、特番なのか、新番組なのか。
もし知らない番組であれば、どの局で、いつ放送しているのか、出演者は誰か、など詳しく聞いておきましょう。自分のお店が、どのような番組で紹介されるのかを把握しておく必要があります。知っている番組であれば、どう取り上げられるのか、番組の影響性などがイメージしやすいですよね。
・出演者がいるのかどうか
これは、メニューを誰が食べるのか、という点。
番組側がタレントや試食する人を連れてくるのか、それとも料理のビジュアルを紹介するだけなのか、が事前にわかります。それによって、どの程度撮影に時間がかかりそうなのか、どんな準備が必要かが、つかめるのではないでしょうか。
・実現性はどの段階なのか
テレビ番組では、まだ企画段階であっても問い合わせを入れることがあります。
紹介したいメニューが現在も提供されているかを確認したいだけの場合もあります。
担当者によっては「まだ企画段階ですが…」と説明する人もいれば、
そう言わずに、あたかも撮影が決まっているかのように話を進める人もいます。
相手が明言せず、あやふやに感じる場合、
「まだ企画段階ですか?」 (実現性が低い)
「撮影候補の店を探している段階ですか?」 (実現性があるものの、まだ低い)
「撮影はいつ頃を考えていますか?」 (実現性が高い)
「もう、うちで撮影したいという状況でしょうか?」 (実現性がとても高い)
と、聞いてみましょう。
具体性があるほど、実現性が高いと言えます。
② 企画概要を書面でもらう
先方から「そちらのお店で撮影したい」と言われた場合でも、即答は避け、
「まずは企画概要をいただけますか?」とお願いし、書面で送ってもらいます。
企画概要には、
番組名
放送予定日
企画内容・撮影内容
撮影希望日
制作担当者の連絡先
などが記載されています。内容を確認したうえで、撮影に協力するかどうかを判断し、
必要であればこちらから連絡を入れます。
③ 必ずロケハンに来てもらう
撮影に協力する場合、番組側からロケハン(下見)の申し出があるのが通常です。
ロケハンとは、何をどのように撮影するかを事前に決めるための下見です。
特にバラエティ番組で出演者がいる場合、撮影時間が限られているため、ロケハンは不可欠です。メニューのビジュアルだけを撮影したい場合でも、照明を立てたり、レンズを用意したりと機材の準備があるはずなので、下見は必要なはずです。
ロケハン時には名刺交換を行い、
撮影日時
撮影時間の目安
用意しておくもの
など、担当者から相談があります。対応できる範囲で協力すればよく、できないことは無理に引き受ける必要はありません。
もし、撮影に来なかったり、放送されなかった場合、最も腹立たしいポイントは、
「番組のために特別に用意したのに!」という点にあるかと思います。
④ 撮影前は必ず連絡を取り合う
ロケハン後、構成が固まった段階で、改めて撮影時間や内容の連絡があります。 大がかりな撮影では3日前までに、負担の少ない撮影でも前日までには連絡が入るのが
一般的です。
もし連絡がない場合は、「明日は予定通り準備してお待ちしています」と、お店側から連絡しても問題ありません。
⑤ 撮影に行けなくなった場合、番組側はどうするのか
撮影ができなくなる事情は起こりえます。
大寒波や台風、
出演者の交通トラブル、
ディレクターやカメラマンなど代役のいないスタッフの体調不良など、
理由はさまざまです。
通常は、そうした事情が分かった時点で、番組側から速やかに連絡があります。
もし、撮影時間になっても連絡がなく、撮影隊も来ない場合は、お店側から連絡を入れます。それまでのやり取りで、担当者の人柄や対応はある程度見えているはずです。
なお、撮影できない事情はお店側にも起こりえます。
従業員や家族の事故や病気、
身内や近しい人の危篤、
厨房機器の故障など、アクシデントは双方に起こりうるものです。
また、テレビ番組は多くのスタッフが関わっているため、
些細な行き違いや誤解が重なって、連絡が来ない、という事態も起こりえます。
約束の時間を大幅に過ぎても、撮影隊が来ない。
ついには、その日に撮影にも来ず、連絡もない。
腹立たしいのは最もですが、まずは担当者に連絡をいれて、事情を説明してもらう。
そして、番組の責任者であるプロデューサーとも話しをして、どういう対応をするのか、
聞き取るのがいいかと思います。
撮影に来なかった、その背景を知り、
これからの対応を提案してもらう。
感情に流されそうになりますが、
テレビに出る影響や、
番組側との関係を主導権をとって構築できるのは大きなメリットです。
テレビ取材は、お店と番組の双方が事情を共有し、丁寧に連絡を重ねることで、
お互いに納得のいく形で成立するものだと思います。




コメント