お金を払えば、テレビに出られる? ──テレビ出演と『お金』の誤解について
- imd33

- 2025年12月24日
- 読了時間: 4分
更新日:1月6日
ときどき、少し声をひそめるようにして、
こんな質問をされることがあります。
「お金を払えば、テレビに出られるんですか?」
あまりに率直で、でも、とても正直な問いだと思います。
聞いてはいけない気がする。
でも本当は、ずっと気になっている。
そんな空気をまとった質問です。
さらに、
もう少し具体的に聞かれることもあります。
「100万円払えば、経済ドキュメント番組で
取材してもらえるって聞いたんだけど、どうなの?」
結論から言えば、テレビ番組は、
基本的にお金を払ったからといって出演できるものではありません。
100万円を支払っても、番組が密着取材をすることはありません。
ちなみに、
その経済ドキュメント番組の公式サイトには、
「取材対象者から金銭を受け取って番組を制作することはありません」
という注意書きが、明記されています。
それでもなお、
「お金を払えばテレビに出られる」と持ちかけ、
多額の金銭を要求する業者が存在するのも、残念ながら事実です。
なぜ、そんな言葉がまかり通っているのかというと、
お金を払うことでテレビに出られるケースがあるものの、
その詳細についてはよく知られていない、からだと思います。
お金を払ってテレビに出る方法。
それは、
・テレビにCMとして広告を出す
・PR会社と契約してメディア掲載を働きかけてもらう
というケース。
つまり、お金を支払った結果として、テレビに出たという状況が生まれることはあります。
今回は、「お金を支払ってテレビに出る」ように見えるケース、
CMとPR会社について、整理してみたいと思います。
広告料を払えば、テレビで宣伝できる
広告料を支払えば、CM枠を購入することができます。
CM枠とは、番組と番組の間、
あるいは番組の途中で流れる15秒や30秒の広告動画が流れている枠のこと。
企業の商品やサービス、あるいは企業名そのものを、
視聴者に印象づける役割を担っています。
テレビ局は、このCM枠を販売することで番組を制作しています。
言い換えれば、CMを見てもらうために、魅力的な番組を作っている、
とも言えるでしょう。
一方で、
番組の中で紹介される企業や店、商品は、
広告料を支払っているわけではありません。
こちらは基本的に無料です。
CMには、何百万円、時には何千万円もの費用がかかることもあります。
それなら、
「できればお金をかけずに番組に出たい」と思うのも、
ごく自然な感情だと思います。
ただし、どんなに出演を望んでも、
番組に登場する企業や店、商品を選ぶのはテレビ局です。
選ばれなければ、取り上げられません。
もし、取り上げられたとしても、
自分が「これをテレビに出してほしい」と思っている商品やサービスは
一瞬も映らない、なんていうことも。
PR会社に委託したらテレビが取り上げてくれた
もしあなたが、
「これを、どうしても世の中に知ってほしい」
「この商品、このサービスを売りたい」
という思いを明確に持っているなら、
PR会社に力を借りる、という選択肢があります。
PR会社は、商品やサービスについて、
メディアの人たちが理解しやすいように
情報を整理し、
取り上げてもらえるような文書を作成し、
それをメディアに配布してくれます。
テレビに出ることを約束してくれる存在ではありません。
PR会社を利用した結果、テレビ番組から取材依頼が来ることはあります。
それは、
PR会社の働きによってテレビ番組にその情報が届き、
たまたま企画や特集にマッチしたため、
取り上げることになった、
という結果であって、
お金を払って取材してもらった、ということではないのです。
この違いは、とても分かりにくく、そして誤解されやすいところでもあります。
「お金を払ったら、テレビ取材された」という現象は事実でも、
お金を支払った相手は、
× テレビ番組・テレビ局・番組制作会社
〇 PR会社
であり、PR会社の手を介して、
テレビ番組制作者の目に留まり、
取材につながった、というのが正確な理解です。
ちなみに、
「100万円で経済ドキュメント番組に出られるのか?」
と尋ねてこられたのは、
従業員数が何百人もいる企業のトップの方でした。
経営者の方が、日常的に広報業務をすべて担っているとは限らず、
社内に担当者を置いているケースも少なくありません。
想像するに、経営者同士の集まりなどで、
取材を受けた別の経営者から体験談を聞いたものの、
PR会社の役割や仕組みについてまでは共有されないまま、
「お金を払ったらテレビに出られた」
という話だけが独り歩きしてしまったのではないか、と思います。
話をした経営者も、広報担当がどこに予算を割いたのか
知らなかったのかもしれません。
では、PR会社はテレビ出演への近道なのでしょうか。
それは、少し短絡的な考え方かもしれません。
この続きでは、
PR会社の役割について、次回詳しく書いてみます。




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