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食レポ上達の道 その1 第一印象をコメントするワード24

更新日:2023年10月24日


テレビでは毎日、グルメ番組が放送されています。

弊社も得意としているのがグルメ系の企画ですが、いつも悩ましいのは

おいしい料理をいかに、映像と言葉で伝えるか


おいしさを伝えるために、タレントやリポーターが試食して、味を説明する、つまり食レポ

のシーンがあります。食レポはリポーターの表現力にかかっているのですが、これがうまいとレギュラーになることも。


テレビで取り上げるからには、その料理が「おいしい」のは当たり前。

いかにおいしいのか、どんな味なのか、を視聴者に伝えるには、言葉をどれだけ知っているか、にかかっています。


いかに「おいしい」という言葉を使わずに、おいしさを伝えるか、がリポーターの技術。

しかし、その技術を学べるところはありません。リポーターがそれぞれ研究したり、工夫したりしています。


今回から数回にわけて、おいしさを表現することばを特集していきます。



食レポのシーンの流れ


まず、食レポのシーンの流れを書いてみますと・・


①リポーターの目の前に料理が供される

②料理を見て、第一印象を一言、コメント

③香りや熱さをコメント

④箸やナイフを入れたときの感触をコメント

⑤食べる

⑥一言、感想

⑦おいしさの解説をする(食レポ)

⑧締めの一言


一つの料理でこれだけの要素を撮影しますと、5,6分の取れ高になります。編集でばっさりと切ってしまうので、放送で使われる尺は長くて1分ちょっと。短くて20秒程度になります。


リポーターがコメントするのは、食べる前と食べた後に分けられますね。では、順を追って、どんな言葉を使っているのか、書きだしていきましょう。まずは食レポの流れの2番目。料理を見て、第一印象を一言、コメントするときの表現です。



第一印象を言葉にする意味


色、形、数量、大きさ、厚み・・・テレビで取り上げる料理は、見た目に特徴があります。

料理の映像が出ているので、視聴者はその料理がどういうものかわかるのですが、リポーターには、この料理のここを見てほしい、というところをコメントしてもらいます。


例えば・・・

「見てください!スープが真っ黒です。」(ラーメン、うどん、そば、などの汁もの)


「ほら、向こう側が透き通ってみえますよ。」(白身魚やイカの薄づくり、白い野菜など)


「うわ~大きい。お皿からはみ出しています!」(フライ物や揚げ物、ハンバーグなど)


「見てください。この厚み!こんなに厚いの。」(ステーキ、とんかつ、ハンバーグなど)


どれも、見たまんまです。しかし、このシンプルな一言で、視聴者は、この料理のココをみればいいんだ、そこが特徴なんだ、と意識が生まれます。映像は思いのほか情報量が多いので、料理のここがポイントなのよ!とそこへの注意をひかなくてはなりません。


視聴者にも一緒に味わってもらう


それと、もうひとつ、視聴者にも一緒に味わってもらうため。おいしいものを味わうときに、まず料理を見ます。いただく前に、視覚で味わうことをしているはず。

フライものだと、パン粉が粗いと、ザクザクした食感が楽しめそうだな、とか、逆に細かいと手間がかかってそうだな、きれいだな、と一瞬でとらえるはず。見た目について一言いうのは、その間(ま)を提供していること。


料理の姿かたちから、この料理はどんな味なのか、という情報を私たちは受け取ろうとしていますが、それを言語化することによって、一緒に味わう準備をするのです。


第一印象で使えることば 24ワード


それでは、ビジュアルの特徴を伝える形容詞や表現を並べてみました。その言葉で何を表現しているのかも書いてみます。


・きれい   色合いや形、バランスがいい

・美しい      〃

・整っています   〃

・姿がいい  とくに形が整っている

・端正な形     〃

・完璧な形 技を要するものだが誰もが思い描く形、絵に描いたような形 オムライスなど

・きらきら  ゼリー状のものや輝くような食材が添えられている

・輝いています   〃

・艶めかしい しっとりした形状やぬめっとしたグロス感、グリッター感のあるソース 

・つやつや  新鮮で表面にハリがありつつ、水分が保たれている感じ

・みずみずしい 食材の色つやがよく、水分を含み、鮮度がいい状態

・新鮮な       〃

・張り裂けそう 具がぎっしり詰まっている

・パンパンです    〃

・華やか   色とりどりの食材、ひとつひとつの形が凝っている

・色鮮やか  特に、色とりどりで、色が鮮やかな食材が使われている

・かわいい  色あいが、赤系のもの、ピンク系、オレンジなどで形がコロンとしている

・かわいらしい 色合いもかわいく、形が小さくてコロンとしている

・上品    色や形がシック お皿に余白があり 盛り付けが控えめ

・高貴なかんじ    〃      高級食材が使われている

・洗練されている センスがある 芸術的、デザインされている。ケーキなど

・攻めている   定番の色や形、大きさからはずれている

・しっとり    ソースなどがかかっていて濡れ感がある

・ビューティフル 見た目が美しく、店の雰囲気など総体的に絶賛したい




見た目ですから、よく知られている何かに例える表現もよく使います。例えば、円錐形に盛られているものなら、富士山やピラミッド、細長くそびえたっているものはスカイツリーや東京タワー。いろいろな色どりのキラキラ光る様は宝石箱。

黒いソースやスープは炭のよう、墨汁のように真っ黒。


料理のファーストインパクトの一言で、視聴者の興味をそこへ引っ張っていく、視聴者の心をキャッチする、大事なカットです。


次回は、香りや感触についての言葉を集めていきます。







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