クライアントから、もっとセンスよくならないか、と言われたときに試してほしいことをまとめてみました。
また、クライアントから制作者へ「センスよく仕上げてほしい」と伝えたときに、具体的にどうすればいいのか返されたら、提案してみてください。
①テロップ(テキスト・文字の情報)を2ポイント以上、小さくする
制作者にとって、テロップは、読んでもらうための文字情報なので、文字が認識できる(読んで理解できる)大きさにするべきで、読んで理解できる秒数を入れるべきという常識がありました。が、これが「センス」がいいか、というと、両立しづらい点です。センスがいいと感じさせるには、テロップのサイズを今よりも2ポイント小さくしてみます。
小さくしてみると、全体的に洗練された雰囲気になります。
②テロップのエッジ(縁取り)を外す
テロップに白あるいは、ブルーや赤のエッジをつけているなら、外します。テロップは色を重ねると、色情報が過剰になります。テロップの色味がたくさん出てくると、目への刺激になり、見ている人を疲れさせることになります。
③テロップのフォントを細い字体のフォントに変更する
テロップの字体が太いのであれば、細字のフォントにかえてみます。単純ですが、大きく太いから、小さく細いへ変更するだけで、イメージがかわります。
④ テロップが認識しづらいなら、ホワイトのハーフマットを敷く
字が小さく、細く、エッジがない、と読みづらくなります。ホワイトのマット、あるいはホワイトのハーフマット(マットのことは”座布団”ともいいます)を敷きます。いろんな色を試してみましたが、結局、白が映えます。
⑤テロップの配置を、下位置あるいは、画面の下半分に収める
強調したいために、テロップを中央に配置することがありますが、それがセンスの邪魔になっているときがあります。テロップが大きくて、太い場合、中央に配置されていると、押し付けがましく感じられるそうです。下位置あるいは、画面の下半分のエリアに配置してみます。
⑥ SE(サウンドエフェクト、効果音のこと)を外す
SEが入りすぎていると、騒々しくなります。もし、現状入っているSEがクライアントの好みに合っていない場合、耳障りになります。差し替える予算がない場合は、思い切って、外してしまいます。
テロップのフォントの変更や、SEを削除する作業は、さほど手間がかかりません。全体的にテンポアップさせて、キレをよくしたい場合は、少し大きな作業をせねばなりません。
⑦ カット尺を2秒にする
制作者は、作品を作るときに心掛けているのは、伝えるべきメッセージを伝えたい、ということ。洗練された動画をつくる、センスのいい動画をつくる、というよりも、動画を見て、理解してほしい、のです。それゆえに、このワードを利かせるために、構成や流れもふまえて、ひとつのカット秒数も考えています。テロップを読ませるために、大きくしたり、エッジをつけて強調しています。が、クライアントからすると、なんか、もったりしてるな、長いなあ・・と受け止められることが多々あります。
こうして洗い出してみると、センスの良し悪しは、テロップ次第ともいえそうです。テロップは、画面構成上で占める面積が大きいため、単純にテロップの面積を小さくすれば、センス良く感じるのかもしれません。テロップについている色の種類が多いなら、少なくすることで、全体の印象が変わります。
いまの時点での映像にセンスがない、と言われたら、どこでそう感じるのかを、洗い出してみます。動画を構成している要素は、
①映像
②テロップ
③音
の3つの要素があります。
そして、それぞれ、細かく要素があります。
①映像
A-カットの長さ
B-明るさ
C-画角
②テロップ
A-大きさ
B-フォント
C-色
③音
A-地の音(インタビューコメントやノイズの音)
B-BGM
C-SE (効果音)
「センス」というのは、伝わりづらいことばです。今のままだとセンスが合わないんだな、と感じることはできますが、どこをどういじればセンスがよくなるのか、その指摘が正解なのかどうかは、自信がもてません。
「センス」を指摘されたときは、上の3つの要素と、それぞれの3つ、全部で9つになりますが、それらのどこに、「センスなし」の原因が潜んでいるのかを探り出せばいいのです。
制作物には、予算がありますから、原因がみつかっても、全て修正できるわけではありません。いちばん手っ取り早く、手間をかけずに、センスよく仕上げるには、テロップの色とデザインを修正すると、大きく変わります。
センスアップと品質も上げたいと言われたなら
もし、修正をすることになって、もっと品質を上げたいと言われたら。
品質には、予算がついて回ります。多少追加になっても品質を上げたい場合は、
「音」を入れ替えると、ぐっと質があがります。
音はおざなりにしがちですが、音のバランスがとれていたり、BGMが心地よかったり、絶妙なSEが入っていると、ついつい見てしまいます。ということは、耳から感じられる情感や情報は思いのほか大きいのです。少しでも、古さを感じたり、耳に違和感が残ると、遮断したくなります。品質を上げるには、音の専門スタッフに入ってもらって、調整したり、音楽の選曲をしてもらうと品質向上されます。
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