経営者さんから、経済番組に取り上げられたい。いくら払えば取り上げてもらえるのか、と聞かれることがあります。地上波の番組では、お金を支払って取材してもらう、というのはありません。番組のホームぺージにも、多額の費用を請求して取材する業者について注意喚起されています。番組制作に携わっている者が出演を約束して金銭を要求することはありません。
なぜなら、番組は公共性がある内容であるべきであり、公平に扱われなければならないからです。そして内容が正しいものでなければならない、という三原則があるからです。利害関係があるとその三原則が損なわれるからです。
堅ぐるしい前置きはさておき、自社が番組で取り上げられるためには、番組について知っておくことを書いてみます。
経営者の方々は、忙しいので、テレビを見ることがあまりありません。番組名は知っているけど、どういう番組かよく知らないまま、取材されたいと思いつつ、番組側が会社を見つけてくれるのを待ってるだけではもったいない。番組の構成を知ることで、どんな要素があれば取材されるのか、どんなアプローチをすればいいのか書いてみます。
経済番組、どんなのがある?
経済番組は、
テレビ東京の『ガイアの夜明け』『カンブリア宮殿』
TBSの『がっちりマンデー』
NHKの『有吉のお金発見!突撃カネオくん』
があります。
それぞれ特徴がありますので、番組の構成とともに解説していきます。今回はTBS「がっちりマンデー」について分析してみます。
TBS『がっちりマンデー』
基本情報 毎週日曜日 朝7時半~8時の30分番組
MC 加藤浩次さん、進藤晶子さん
番組タイトルに”マンデー”とあるのに、放送は日曜日です。
なぜ、マンデーなのか、は、番組の正式タイトルにあります。
正式名称は、
『応援!日本経済 がっちりマンデー ~日曜に勉強!月曜に実践!~』
視聴者ターゲットはビジネスパーソンや投資家の方々。主婦の方も多いんだそうです。
右肩上がりで成長している商品やサービスや企業そのものや業界を取り上げ、なぜ右肩上がりに成長しているのかを、その仕組みをわかりやすく掘り下げます。
番組の構成は、スタジオとVTR取材。事前に取材されたVTRをスタジオでMCとゲストが見ながら、ユニークな視点に感心したり、発見したり、補足をしたりします。
ゲストは、経済学者の森永卓郎さん、IKKOさんなど。
この番組は、「弊社はこれで儲かってます!」と社長さんや社員さんがコールして、がっちりポーズを決めなくてはなりません。
つまり、これで儲かっている、と言えるものがあれば、取り上げられる可能性があるのです。
番組に取り上げられるかどうかは、儲かっているデータが出せられるかどうか。
がマストです。そのデータは、右肩上がりで示すことができれば大丈夫です。
業界トップである必要もありませんし、業界でシェアナンバーワンでなくてもいいのです。しかも、地方企業でもいいし、ネームバリューがなくてもいい。どちらかというと、ニッチな商品や発明品、世にあまり知られていない業界でも、それが面白くて、右肩データがあればいいのです。
うちは地味な業界で、専門的な設備を扱っているから、取材されても面白くないだろう。と決めることはありません。知らないものほど、発見があります。専門的なものだから説明が難しいんじゃないか、と思う必要もありません。専門的なことを優しく説明することに長けています。面白いかどうか、は自社で考えることはありません。番組に判断してもらえばいいことです。
番組にニュースリリースを送る効果はある?
結論からいいますと、効果はあります。
番組へはダンボールひと箱分くらいの情報提供やリリースが届くらしいです。知っておいていただきたいのは、テレビ業界では、リリースはFAXが主流です。
番組にニュースリリースを送るときは、FAXで送られることを推奨します。
なぜなら、FAXは、スタッフが回し読みしやすいからです。
番組スタッフはプロデューサー、ディレクター、アシスタントディレクター、リサーチャーと、20人くらいいます。誰かの目について、これ面白そうと思われれば、すぐにディレクターやプロデューサーに、これはどうか?と提案や相談で回し読みされるのです。
これはどの局のどの番組でも事情は同じです。メールでお送りください、とメールアドレスが掲載されている番組もありますが、メールだと、特定の人しか見れません。
多くの人の目に触れさせるにはFAXです。
ダンボールひと箱分ものニュースリリースですが、ほとんどは、企業の広報がFAXに登録しているメディアに一斉送信されている内容です。
これから販売する新商品情報や、商品やサービスのリニューアル情報、人事のお知らせなどのIR情報が多く、番組スタッフのセンサーに引っかかるリリースはごくわずかなのだそうです。
これから発売される商品やサービスなど、新発売情報は、ほとんど却下されます。
なぜなら、これから発売されるものに、データがないからです。人事情報も却下されます。
膨大なリリースが送られていても、ほとんどが却下され、ネタを決める打ち合わせに上がるのは、数十ほどだそうです。
この番組にニュースリリースを送るのなら、
・どんな商品か?
・どれくらい売れているのか? 売上高が言えなければ、個数でもいいし、シェア率でも
かまいません。売上をイメージするデータで、しかも、前年比よりも上がっている数字
を探します。
・売れている背景やきっかけ
最低、この3つがあれば、番組にひっかかる率がアップします。そして、専門的な業界や商品であれば、専門用語を使わずに書かれると読んでもらえます。
人は、難しい言葉や分からない言葉が出てくると、そこでテンションが下がります。専門用語を使わずに優しい言葉で書くには、小学5年生にわかるように説明するように書いてみるとよいかと思います。
『がっちりマンデー』は、業界でくくったり、企業を取り上げたり、テーマを設定したりしています。業界やテーマ設定の場合は、3社取り上げることがあります。
うち1社だけじゃあないのか、と気落ちしないでください。この番組はながら見している人よりも、しっかり見ている人が多いです。
それに、番組が公式にオンエア内容の書き起こしをしていて、それをホームぺージに掲載しています。放送されたら終わりではなく、テキストでしっかり読みたい人が大勢いるということです。テキストで読みたい人たちは、企業研究や商品研究、投資の検討をしたい、という人だけではなく、他番組の制作者やメディア関係者も見ています。この番組に取り上げられれば、ほかの経済番組やメディアに取り上げられる可能性があります。
番組にファックスを送るには、番組ホームぺージを見ても表記されていませんから、TBSの代表電話に電話をして、『がっちりマンデーにニュースリリースを送りたいので、FAX番号を教えてください』と聞けば教えてくれます。
この番組だけではなく、ニュースリリースを送りたいときは、テレビ局の代表に電話して、FAX番号を問い合わせれば教えてくれます。
まとめ
がっちりマンデーに取り上げられたいなら、
①TBSの代表に電話をして、番組のFAX番号を教えてもらう。
②ニュースリリースを作成する。
盛り込む要素は、儲かっている商品・サービス
どれくらい儲かっているかのデータ 昨年比など。
儲かっている背景やきっかけ
③番組へFAXする
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