マンガ動画の制作に関する問い合わせが増えています。クリエイターのポータルサイトでの募集でも、マンガ動画が多いと感じます。
マンガ動画とは、マンガのコマが一コマずつ出てくる、見るマンガ。
セリフの吹き出しもありますが、声優がアテレコしているのも特徴。
登場人物の目や口が動いたり、縦ヨコに動いたり、と簡単な動きもつけることができます。
マンガ動画とアニメーションとその予算
マンガ動画はアニメーションよりも安くできるメリットがあります。アニメーションが高いのは、マンガよりもコマ数が多いからです。
アニメーションは全体的に動きがあるものですから、1秒間に12枚から24枚を要し、多いほど動きが滑らかに表現できます。
動きが滑らかで声優によるアテレコが入っているのがアニメです。
テレビCMでは、「家庭教師のトライ」や「大成建設」。
予算がかかるのは、アニメーションです。予算はイラストの枚数に比例しますから、1秒で12~24枚要するアニメーションが最もカット数が多くその分高くなります。
1枚にどの程度書き込まれているか、で、予算が大きくかわります。
ギャグマンガ風に単純な線と単純な色使いなのか、それとも新海監督作品のように空や町並み、建物を細部まで書き込み、色使いも多数なのか。
1枚5000円くらいから10万円以上することもあります。
なぜマンガ動画が増えている?
マンガ動画が増えている背景は、
①スマホでの視聴に馴染やすい
②マンガ動画の制作会社やクリエイターが増えたこと
③素材がパンフレットなどの印刷物と共有できること
が挙げられます。
①スマホ視聴になじむ
スマホでマンガを読むことに慣れているため、突然、マンガ動画でCMが入ってきても違和感を感じず、見てしまう。
実写や写真構成の広告だとうっとうしいと感じることも、マンガ動画の広告であれば、広告と分かっていてもキャラクターや次の展開が気になって見てしまう、ことがあります。
お堅い真面目な内容でも、マンガ動画なら見てもいいかな、と思わせるのかもしれません。
② マンガ動画制作会社やクリエイターが増えた
マンガ動画制作会社が探しやすくなったことで、増えているな、と感じます。マンガが紙でしか読めなかったころは、マンガで食べていくにはごく一部の人気作家でしたが、電子マンガが登場してから、作品料が支払われる場が増えました。場が増えることでマンガ家の層が厚くなり、マンガが学べる学校が増え、クリエイター人口の増加になったのだと思います。
PRで動画制作する場合は、シナリオライターがいますから、自ら構成したりコマ割りしたりといった工程と作画を分業することができる、というクリエイター側のメリットもあります。
③マンガは動画にも印刷物にもなる
マンガ動画の原板を作成することで紙で読めるマンガにすることができます。マンガ動画にいすればネット上で見ることができるし、紙にすれば就職説明会や株主総会、展示会などで来場者に配布することができます。両方作成することで、ネット派、紙派両方取りこぼすことなく、読んでもらえます。
うちの案件はマンガ動画?それとも実写?
マンガ動画をやってみたいけど、マンガ動画で見せるのがベストなのかどうかがわからない、というご相談もありました。
どういう案件がマンガ動画向きなのでしょうか。
それは、
不特定多数の人に知ってもらいたい。
会社のルールや政府のガイドラインのような、教育や啓蒙といった要素の内容
悩みや問題解決の商品やサービス
といったものがマンガ動画向きです。
例えば、合同就職説明会で、学生にはあまり知られていない会社なら、実写よりもマンガ動画の方が多くの学生に見てもらえます。実写ですと、ほかの会社との違いが見せづらいかもしれません。
この会社のお客さんは誰なのか?
社会経験のない学生だと、お客さんは個人消費者を想定しがちですが、企業や政府、自治体がお客さんかもしれません。
社会の見えづらいところを支えている仕事を説明するのは、代表者がことばで解説するよりもマンガ動画の方が感覚的にわかってもらえそうです。
会社や社会のルールや政府のガイドラインのような内容もマンガ動画なら見てもらえる確率が高いです。
例えば、健診指導のマニュアル講習や、ハラスメント講習の研修や、免許証の更新時に行われる道路交通法改訂の講習などのビデオ。ビデオの導入部分やダメな例、改訂前の実例などはマンガ動画だと最後まで見てもらえる確率が高まります。
悩みや問題解決する商品やサービスの、悩みや問題のシーンをマンガ動画にすることで共感されやすくなるかもしれません。
マンガ動画に不向きな案件は?
会社説明会で見てもらう動画は、実写のほうが適切です。応募者たちは、会社の雰囲気や設備、一緒に働く上司や社長はどんな人なのか、具体的に知りたいので、それらは実写でないと伝わりません。
旅館やホテル、レストラン、施設の紹介。
商品やサービス、器具や道具の使い方。
ほかの商品と比較検討に入っている段階のユーザーに見てもらう動画は実写にしましょう。
不特定多数のなかから見つけてもらいたい、気づいてもらいたい場合はマンガ、 比較検討の段階は実写と使い分けるのがよいようです。
ネットで「マンガ動画 制作」と検索すると、「低価格」「短期納品」をうたっている会社がヒットします。安いから、すぐできるから、とマンガ動画を選んでしまうと、見てもらいたい人たち、動画の目的とずれてしまうかもしれません。
実写は高い、という印象がありますが、ほとんどの場合は実写の方が安くすみます。
お客さんに見てもらうために、お客さんの状況に適した動画を制作しましょう。
弊社ではそこからお話を伺っております。
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