動画を内製するときに、最初にやるべきことは、撮影する項目(何を撮影するのか)を決めます。それを撮影する人、撮影される人に共有させることで、動画で伝えたいことを100%盛り込むことが可能になります。
問い合せいただく案件に、素材を提供するので編集をしてほしい、というのがあります。社内のみなさんが撮影した動画を提供してくださるのですが、撮影者は何を伝えるために撮影しているのか、という目的がないため、映っている映像は「ある情景」にすぎないし、これはなんとか使えるかな、と思っても、映っているのは数秒でカメラは動いてしまっている、ということがほとんど。膨大な素材を預かっても、使えるシーンはほんの数カットのみ。ということがよくあります。
なんのために動画をつくるのか、という目的なく、あとあと必要だろうから撮っておくのでは、結局は使えないまま蓄積されていくことになります。
動画を作ることになったら、最初にやるべきことは、何のための動画なのかと、そのために何を撮るのか、を書き出しておくことです。
「何のため?」は、「誰のため?」
何のために動画をつくるのか?を丁寧に言うと、
この動画は誰に見てもらって、見終わった人がどうなってほしいのか?を考えてみると解がでます。
例えば、
学生に会社の活動を知ってもらって、採用試験に応募してもらいたい
学生に商品を知ってもらって、購入してほしい
学生にアイデアをだしてもらって、サービス向上を図りたい
学生にサービスを知ってもらって、みんなにおススメしてほしい
社員に会社の活動を知ってもらって、参加してもらいたい
社員に新商品を知ってもらって、営業してほしい
社員にアイデアを出してもらって、ブラッシュアップさせたい
社員にサービスを知ってもらって、使ってほしい
など、会社の外にいる人たちに向けて、なのか、中の人に向けて、なのかで撮影しなくてはならない項目も違ってくると思います。
何も決めずに撮影すると、人は、目立つものに視点がいきがちです。ほかの人と違う動きをしている人、にぎやかにしゃべっている人、目立つ服装や小物をもっている人、楽しそうにしている人・・・
これを撮るぞ。と決めておかないと、状況記録でしかないような映像素材になってしまいます。
インタビューを撮影する場合は、質問項目を決めておく
インタビューを撮影するときは、質問項目を決めておくといいです。インタビューされる人は、カメラの前に立って話すことに慣れていない場合が多いです。慣れていても、カメラ目の前にあると緊張します。
インタビューするときは、まずリラックスすることから
カメラをまわして、質問から入ると、緊張した面持ちが残ってしまいます。最初は軽い雑談から入って、自然に質問へとうつるのが、普段通りの表情と自分の言葉で話をさせるコツです。お昼は何を食べました?どうでした?桜は見に行きました?お子さんはおいくつですか?ペット飼ってます?でもなんでもいいのです。
撮影項目やインタビューの質問に困ったら
何を撮影するべきか、インタビューではどう質問すればいいのか、に困ったら、情報を盛り込むことを意識します。この動画をみて、見ている人にどんな情報を手渡したいのか。を考えます。動画制作をするときに、アマチュアかプロか、の違いは対して差がありません。ひとつ違いがあるのは、その映像に、どれだけの情報がつまっているか?なのです。おもしろい映像を作るのは、プロにだって難しいもの。見ている人が欲しているのは、情報です。
情報とは、つまり何なのか?
情報とは、たとえば、商品だと、
・いつ発売?
・どこで買える?
・どんなモノなの?
・どうやって使うの?
・いままでと何が変わったの?
・どんな人が使うの?
・いくらなの?
・なんでこれを開発したの?
つまり、
いつ・誰が・何を・どうやって・いくらで・なんで・・・と、英語でならった5W1Hをベースにすれば情報を盛り込むことができます。
動画は、映像と音声とテロップ(テキスト)の3つの要素がのせられます。どの情報を映像にするのか、どこを音声(インタビュー)で聞くのか、何をテロップでのせるのか、を決めるとおのずと整理されていきます。
見てもらえる動画は、情報を絞り込むこと
せっかく動画をつくるから、といって、こちらが伝えたいことを全部入れると、情報過多になって、見ている人は全てを受け止めることはできません。どんなに短い動画でも、逆に長い動画でも、印象にのこる情報は、3つです。
先ほど見たYouTube、テレビ番組、ネット番組、動画配信・・・どんな情報が入っていたか、思いだしてみてください。たぶん、3つ程度ではないでしょうか。
動画で大切なのは、
誰に向けてのメッセージで、
どんなことを伝えたいのか、
そしてどんな気持ちになってほしいのか。
を念頭において、興味を引き寄せる。そして、ホームぺージや資料などへ導いて、深掘りさせる、というのが、目的なのです。
映像は、情報という言葉で説明できるもの以外のものも伝えられます。状況や感情やイメージ。この商品を使うと、楽しめそうだな、作業が楽そうだな、自分でも扱えそうだな、とか、このサービスを使っている自分の姿を想像することができるのは、動画の役割として大きなところです。
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