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テレビ業界に関心のある就活生向けに本を出版しました

執筆者の写真: imd33imd33

更新日:5 日前

コロナ以前に、テレビ業界に関心のある学生向けにインターンを行っていました。その内容をkindleで体験できるよう1冊にまとめました。


タイトルは、

「テレビ番組を制作したい!」学生さん、Kindleでインターンしてみませんか?』: AD(アシスタントディレクター)にも知ってほしい将来の選択肢』



当時、一般的な番組制作会社のインターンは、チームを組んで企画~撮影~編集~試写という、体験型が多かったので、ここにやってくる学生たちには、それと同じ内容では得るものがないだろう、と。通り一遍な、簡易的な制作体験よりも、もっと深く、テレビの本質を知れる内容にしたい、と構築したものです。


なぜ、こうした内容にしたのか、理由があります。


その1 テレビメディアの意義を知らない制作者が多い


番組制作会社に入っても、テレビってそもそもどういうメディアなのか、を学ぶ機会もなければ、教えてくれる人もいません。テレビ局に入れば、研修で教わるかもしれませんが。


新卒で制作会社にはいると、ディレクターのアシスタントからスタートです。ディレクターの指示で動くのですが、その指示の意図やどんな番組か、もよくわからないまま、取材する人や企業や店舗や、撮影させてもらえる施設を探したり、交渉することもあります。


取材先や撮影する施設の担当者と、いちばんやりとりをする、コミュニケーションをとるのがアシスタントディレクターなのですが、業界のことや番組について、一番理解していないのもアシスタントディレクターだったりします。


そうした二者間で、齟齬や誤解が生まれるのは想像できるかと思います。それが、あとあとトラブルにまで発展することもあります。その苦い経験は、自分にもあります。

そうしたトラブルが、取材することへの苦手意識になったり、トラウマになっていきます。


その経験があるからこそ、テレビメディアがどういう歴史があって、どんな役割や意義があるのが、を知っていたら、もっとラクに対応できただろうな、と思うのです。


また、制作者としての意識が育たないままディレクターになったら、視聴者を惑わす表現に平気だったり、面白さ重視で演出を超えたやらせをしかねません。取材者と適切な距離感がもつことができないかもしれません。


制作者の意識は経験によって培われるものですが、だれかが意図して教えることで気づきが早くなります。数々のテレビ番組では、失敗は繰り返されてきました。その原因は、制作者がテレビメディアについての理解の乏しさにもある、と思います。


すでに番組制作に従事している人たちをインターンするわけにもいきませんから、これからこの業界に入ってくる若い世代に、テレビメディアについて知ってほしいという気持ちで書きました。


*『「テレビ番組を制作したい!」学生さん、Kindleでインターンしてみませんか?』: AD(アシスタントディレクター)にも知ってほしい将来の選択肢』


その2、アシスタントディレクター、20代ディレクターの離職が多すぎる


番組制作会社の離職率は、かつてほど大きくありませんが、それでも3割強かと思います。

世代でいうとアシスタントディレクターやディレクターに昇格したばかりの20代が多い印象です。

離職の理由は、さまざまですが、本当のところは、「楽しくない」「やっている意味が見いだせない」「手ごたえがない」といったところでしょう。

仕事が楽しくて、手ごたえがあれば、辞めたいとは思わない。ですよね。


楽しいのか、つまらないのか。手ごたえがあるのか、ないのか。は、周囲の環境、人間関係が要因のように思えますが、今よりもできるようになれば、楽しくなるはず、手ごたえを感じるだろう、と思うに至らないのは、

テレビメディアを浅くしか見ていないから、ではないか。と思ったのです。


バラエティ番組と報道番組のアシスタントディレクターの仕事は違います。

バラエティ番組なら、上司でもあるディレクターが、こういう場所でロケをしたいと言われれば、その場所を探さねばなりません。

島を丸ごと借りたいだの、広場に大きな穴を掘りたいだの、巨大な滑り台を設置したいだの、無茶ぶりをされます。

必死で探しても、その企画自体がなくなったり、ボツになったり、とせっかく探してきても

採用されないことが多くあります。


報道番組だと、事件や事故、災害の現場に行き、撮影してすぐ編集。その日の夕方や夜のニュースで放送。とサイクルがはやく、そしてニュースは日々放送されていますから、自分が担当したニュースは忘れさられてしまいます。


どちらも、やってもやってもキリがなく、虚無感を感じます。

アシスタントディレクターの時代は、ネタをあげても採用されなかったり、情報のサイクルについていくことに必死だったり、で、自分はなんのためにこの仕事をしているんだろう、と手ごたえを感じられずにいるのでは、と思います。


ここでも、テレビメディアの特性を知っておくことで、バラエティ番組にはいくつもの工程があり、選ばれて放送されるまで、厳しく取捨選択されていると理解できますし、日々のニュースがあることで人々は安心して暮らしを営めるということがわかるのではないでしょうか。


自分がやっていることに虚無感を感じたり、消耗されていると感じても、それは目先のことであって、テレビメディアという大きな流れからすると、ひとりひとりが必要な人材だと理解してもらえるのではないか、と思ったのです。


*『「テレビ番組を制作したい!」学生さん、Kindleでインターンしてみませんか?』: AD(アシスタントディレクター)にも知ってほしい将来の選択肢』


その3、番組制作は、テレビの世界観そのままと思っている学生が多い


テレビで放送されているのは、テレビ番組制作の全工程の一部であることも、撮影した映像の一部しか使われていないことも、理解している学生は少ないです。インターンでは、私たちが制作している番組を視聴してもらい、その制作期間がどれくらいか、を想像させるのですが、正解率は20パーセント程度。


撮影までにどれほどの準備をしているか、そして、撮影するまでにどれほどの工程があるのか、アシスタントディレクターはその工程ごとに何をするのか、を教えてくれる場所はありません。


私のインターンでは、企画の芽が生じるところから放送されたあとまでを細かに解説をしました。

その説明でようやく、番組のきらびやかな世界観を作り上げているのは、制作陣の地味な努力の積み重ねで、それが何カ月も続くことがわかり、それを担う自分の姿がイメージできたそうです。


インターンを体験した学生からは、

テレビ番組制作をぜひしたい!という人と、自分がやりたいのはテレビではなかった。と

いう人とに分かれましたが、


どちらも、

漠然としていた気持ちがはっきりした、

「働く」ことのイメージが沸いてきた、

就活の方向性が見えてきた、など、

それぞれに収穫があったようで、晴れ晴れとした表情で帰っていきました。


インターンに参加した学生たちが、テレビ業界に入ってくれたとしたら、

そろそろディレクターに昇格するころでしょう。



今、テレビ業界が揺らいでいる最中ですが、自分がやりたい企画を実現して世の中を照らしてほしいなあ、と願っています。



「テレビ番組を制作したい!」学生さん、Kindleでインターンしてみませんか?』: AD(アシスタントディレクター)にも知ってほしい将来の選択肢』


インターンの構築やプログラムについての質問も受けております。

問い合わせフォームか直接、メールでどうぞ imada@pen-cr.com















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